2009年11月28日土曜日

エレメントハンター 21話でまた縞のお話 後編

中身を見ると無茶なことをやっているように感じると思うけれど、様々な実験と試行錯誤の末、予想以上に良好な映像が得られる状態になったので、最終的にはDestripeとの統合も考えているとか無駄もあるけれどとりあえず出してしまおう。

という事で、HV1280-iの周期的な乱れを補正してより自然な絵に戻すスクリプト evenly720をこちらで公開しました。実験の実寸画像も置いてあります。


縞になっていてもフィールドとしては劣化の少ないHV1280-iもあり、すべての場合に効果があるわけではないものの、大半のHV1280-iで効果が確認できます。放送中のHV1280-i相当のアニメとしては、エレメントハンターは最も効果的な例で、逆に充電ちゃんではevenly720を使うよりDestripeのmodeの値で調整した方がいい例かも。

evenly720の設定

evenly720と名前にも入れた通り縦720固定です。通常Destripeとセットで用いるもので、Destripeで縦720にした直後に使います。

設定値は二つです。

evenly720(int "type", int "amount")

最初のtypeの値は0~3を指定しますが、フィールドの拡大処理に依存するため、HVの縞の分類4パターンごとに共通の設定になります。サンプルが少ないパターンもあるため例外も出てくるかも。

二つ目は補正の強さで、作品ごとに線の乱れに合わせて調整が必要です。ほとんど場合10~30の範囲でバランスのよい結果が得られる。

HV1280-i(GONZO)の場合
Destripe(360, 6, 4, 3).evenly720(2, 20)

typeは2です。強度は10~20程度でバランスのよい線になるものが多い。

HV1280-i(SPICE)の場合
Destripe(360, 4, 3, 3).evenly720(3, 30) お詫び:数字が間違っていました

typeは3です。エレメントハンターなど比較的強い補正が必要なものもあり30から試すといいかも。デュラララ!!番宣1回目もこの設定でよい結果になります。逆にevenly720は使わずDestripeだけの方がよい結果になるものもあります。

HV1280-i(SION)
Destripe(360, 6, 1, 0).evenly720(3, 20)

これもtypeは3。それほど線の輝度ムラが目立たずDestripeだけで十分なものが多い。

HV1280-i(07)
Destripe(360, 7, 7, 5).evenly720(1, 30)

typeは1。evenly720効果が十分確認できるものが多く、30程度と強めの補正が効果的。デュラララ!!番宣1回目の数カットもこの設定が有効。


注意点
evenly720は線を細く鮮明にする効果がありますが、逆に副作用にもなることがあります。周期的なムラを補正するための処理ですので、線の鮮明さではなく線が滑らかになるかどうかに注目して補正した方がよい。Destripe後に線に周期的な乱れが出ていないのであれば使わない方がよく、鮮明な線にしたい時はDestripeのmode値を指定して調整した方が無難だろう。

線に乱れがあっても綺麗にならない場合もあります。元の絵の状態から乱れがあったとか、実際の映像は横方向にも拡大されているためリサイズの劣化が横方向に出ている場合など。




先日のデュラララ!!番宣2回目とかマ王3期の縦713程度の特殊な特徴を持つHV1280-iも、試してみると効果がありました。丁寧に調整した数字ではありませんが効果を確認できる設定を示します。縦横比に注意して下さい。

デュラララ!!番宣2回目の大半のカット
Destripe(357, 9, 5, 5, 2)
AddBorders(0, 0, 0, 6)
evenly720(3, 25)

デュラララ!!番宣2回目の1部、およびマ王3期の本編
Destripe(357, 3, 3, 2, 2)
AddBorders(0, 0, 0, 6)
evenly720(1, 25)