DVDのところで書いた通り1クール遅れの上、的確な分析も遥か昔に行なわれているだろうけど、あまり触れてない部分なので調べてみよう。
まず、明るさの分布を確認。
このヒストグラムは走査線ごとの輝度情報の分布で左がBS11、右がDVD。暗いとわかりにくいので明るく補正しています。
テレビ映像では輝度の情報は16-235の範囲で階調を表現し、左が0(暗)右が255(明)で黒いエリアが16-235に相当するので、茶色部分は本来使わない部分。
見て分かる通り、特に右側に大きくはみ出し、範囲外の輝度情報が多くの存在しているのがわかります。DVDに合わせて調整しているけれど、わずかに放送の方が暗い感じ。といってもほとんど差はなく近似の分布。
本来[16-235]の範囲で表現すべき情報を[0-255]に引き伸ばした異常データで、この茶色の部分の情報の影響で不自然な明るさや色になってしまう、というのがこのアニメの問題と考えてよさそう?
左側(暗方向)はBSでは僅かに漏れているものの、DVDでは16に張り付いていて、単純に映像全体が[16-235]→[0-255]というよりは、[16-235]→[16-255]と明るい方向だけに伸張されているように見えなくもない。
OP,EDは本編と少し状態が異なる。同様に左がBS11、右がDVD。特にコントラスト高いフレームを選んで見ると、BSでは右の明方向だけでなく、左側にも大きくはみ出し[0-255]をすべてを使っているような状態なのに対し、DVDは本編と同様暗方向は16に張り付いてそれ以下の輝度はほぼない。
この差から、BS11の方がオリジナルに近く、DVDでは15以下の情報をばっさり切り捨ててしまっている状態で、放送より黒の階調が失われている状態。といっても普通に視聴する場合ほとんど影響がなさそう。
DVDも16以下の情報がないわけでなく、EDのテロップ部分は[0-255]の状態になっているので、16以下が切り捨てられた映像に再び[0-255]の階調で文字を入れているようだ。