2011年10月4日火曜日

涼宮ハルヒの憂鬱 2話OP


局:WOWOWプライム
放送日:2011/10/02
評価:HV1280+

新番ラッシュで気にしていなかったけれどWOWOWの劣化が話題になっていたので、アニメで比較できる作品は今のところハルヒといばらの王しかないけれど、HDでよく動くというこでハルヒ2話OPから見てみよう。圧縮劣化の比較は画像で比較した方がはるかにわかりやすいけれど環境さえあれば誰でもできるのでここはいつも通り。

劣化の目立つフレームを意図的に選んでいるけれど、下の5月の放送時の同じフレームに比べて中央の分布が極端に小さくなるとともに十字状の影が明るく出ている。この十字はブロックノイズが多いことを、中心の分布が小さいということは線がボケたり崩れて輪郭の甘い絵になったことを示している。このフレームはかなり酷い状態だけど、もちろんここに限らず動きのある部分でのブロックノイズが増えて荒れた絵になっているところが多い。

このOPはフルHDではないけれど、ジャギの特徴は縦は956程度と中途半端な数字ながら非常に精細で、京アニのOPEDだけ高解像度のパターンと同等。

その精細で鮮明な映像がよく動くOPなので5月の放送でも相当量のブロックノイズが出ているけれど、10月の放送では激増といってもいいくらい増えていて、以前のWOWOWからは信じられないくらい不安定になっている。普通に見ていても悪いと感じる人が多いのも納得の低画質。

とはいえ、動きの少ないところや所詮アプコンの本編では劣化が目立つところも少なく、色ロゴを除けば5月放送との印象差はそれほどない。




局:WOWOW
放送日:2011/05/03
評価:HV1280+

5月の放送では劣化も軽微で大きな分布をちゃんと維持できている。情報量が極端に多いところでは10月と大差ない大量のブロックノイズも出ているフレームもないわけではないけれど、全体にWOWOWらしい安定感のある映像だった。

この分布ではわかりにくいけれど、5月、10月いずれも横1440経由の映像で横方向のリサイズ跡が比較的はっきり残っている。もちろんBDはフルHDマスターからリサイズなしで収録されている。


ここではフレームでの比較=結果で見ているのでスペック的な話は意図的に避けているけれど、何が変わったのかをこのOPで比較してみると、
  • 平均ビットレートが20.5Mbps辺りから17.7Mbps程度に落ちている。
  • 瞬間最大ビットレートも以前は24Mbps近くになることも頻繁にあったのに、20Mbps辺りが上限でその近辺でうろうろしている。
  • 瞬間最低ビットレートも15Mbps辺りが下限だったものが、5Mbps以下と極端に低くなる時がある。
  • 24pエンコードがまったく行われず全体が60iになっている。
辺りがデータ的に見えてくる違い。

インタレも影響しているだろうけどこの数Mbpsの差が大きく影響しているようだ。ビットレートをグラフにしてみるとエンコーダは頑張っているけれど、見えない上限に張り付いた感じになっているのに対し、5月の放送は情報量の多いところでは本当の条件の24Mbpsに近づいても張り付く感じにはならず、余裕を持ってデータを捌いている感じに見える。

最低ビットレートが極端に低いというところは悪くなったとは言えず、このOPは画面全体ほぼ真っ白という可逆圧縮しても極端に小さくなってしまうところがあるので、極端に低い状態があっても劣化しているわけではないだろう。触れなくてもいいかなと思ったけれど顕著な差があったので違いの一つとして挙げてみた。

世界一かも?と思えるくらいの放送画質を誇ったWOWOWがこんなことになるなんて・・・