2009年10月23日金曜日

11eyes 3話


局:TOKYO MX
放送日:2009/10/22
評価:SD-ibp/486

2話はチェックしていないけれど、3話で変化。分布通り常時縞ではなくなり、SD-ipのような映像になったけれど新種のアプコン処理と思われる独特の挙動だった。

動きの有無で拡大処理が変わる点はSD-ipと同じだけど、その後にもう一つ別の処理が加えられている点が新しくSD-ipの進化形といった感じ。

その加えられた処理は、「縞になった部分だけ縦に強くぼかす」という動作。もう少し細かく挙動を見てみると、SD-ipの処理後をフレームで見て縞になっている部分をフィールド毎にぼかしている。アプコンでの縞であろうがtop, bottomフィールドで絵が異なるためのコーミングであろうが関係なく、フレームで見て縞かどうかで判断している点では、SD-ipアプコン後の映像に対して別の処理を加えているとも考えられるけど、判定精度が高いので後処理というよりもアプコン処理の一部として行なっている感じ?

ぼかしは一定の強度ではなく、目立つ縞ほど強く、動きがある部分にも鮮明な線が多く残っている。


これは、上のフレームの片方のフィールドだけでのチェックの結果。アプコンの場合、フレームで拡大されている状態では縦2倍以上に引き伸ばされるので、片方のフィールドだけでもほぼ正しい絵の情報を持っているのでフレーム分布とほとんど差がない。



問題の強いぼかしがかかった部分のフィールドの分布。 SDの片フィールド分の縦解像度しかない絵をぼかしているので薄っぺら分布になる。

といっても処理が大きく異なるので、上との比較はあまり意味がない。



ということで、1話のフィールドの分布を見ておこう。1話はSD-iだったけれど、SD-ipの縞の出ている部分とほぼ同じで、SD-ipで全体が縞になっている部分も似た結果になる。

今回の処理は、この状態のフィールドを一つ上の分布になるくらい縦にぼかしている。

インタレ維持で486にしても部分的に変なボケが残ってしまうため自然なSD映像に戻せず、放送映像をより高画質で見る、という楽しみ方ができなくなるけれど、さすがに縞解消の妨害が目的だったりしないだろう。

このぼかしによって改善される要素を考えてみると、SD-ipアニメでは特に上下にゆっくりパンするカットなどで目につきやすい、線の点滅や振動のような縞が原因で起こる映像の崩れが軽減しそうな点が最大の効果かな。

縞部分だけをぼかすことによって、全体としては十分な鮮明さを維持しつつ、SD-ipで気になる問題だけを軽減して安定したアプコン映像になっていている感じ。視聴環境に影響されそうな気もするけれど、とりあえずうちのテレビとの相性はよいようだ。

動画としては向上といえなくもないけれど、強くぼかしているので静止画で見るとかなりひどい状態なところもあり、SD-ipより縞が酷くなっているところもある。

そもそもSD-ipの問題を回避するなら最初からフレームで拡大したSD-pにすればいいだけの話、という点では無駄な努力という気もするけれど、SD-ipで動く部分の劣化が気になるアニメも多いだけに、今後このパターンが増えてくる可能性もありそう。

ということで、SD-ipにblurを加えたパターンということで、SD-ibpという分類を作っておこう。bを間に挟んだのは、i側(フィールドで拡大された部分)に関係しているためでiをibに置き換えた感じ。