2014年3月11日火曜日

GJ部 とある飛空士への恋歌 で BS日テレの変化を検証

3/3~3/4にかけてBS日テレのエンコーダが変わったので、変更前後で比較してみよう。BS日テレはほぼ一定のビットレートを維持していた局で、3/2まで映像20.3Mbps辺りの数字で安定していたけれど、 3/3の定点観測で20.6Mbpsになり、翌3/4以降は19.7Mbps辺りで落ち着いている。CBRに近い傾向続いているけれど、真っ黒画面のように情報の少ないところではデータが極端に小さくなるようになり、以前よりビットレート変動幅は大きくなった。

ビットレート以外は特にスペック的な変化はなく量子化行列等もそのままだけど、映像で比較すると画質は大きく変わっている。



放送日:2014/02/27
評価:HV1280

上が8話、下が9話のGJ部OPの同じフレーム。

分布ではわかりにくいけれど、変化前の上の方がノイズが少ない分周囲が暗く、中心の明るい部分の伸びが少し良い。変化後の9話は圧縮ノイズが目立ち8話の方が安定している。特に動きの大きなシーンやシーンチェンジなどではブロックノイズが大幅に増え少し不安定な画質になった。

逆に良くなったところを探して見ると、以前よりディテールの潰れが少なく情報量の多い絵になっているところが増えているけれど、圧縮劣化で崩れているところも多いので、全体では特に情報量の多い絵になった感じはなく、むしろ細かい描写の潰れの方が気になるくらい。



放送日:2014/03/06
評価:HV1280

もう一点、映像ではっきり変化が出た要素は今回も色で、同じ絵で比べると8話までと9話で微妙に異なっている。完全に一致というほどではないけれど、恋歌で比較すると変化後は現在のMXに近い色合いになっている。圧縮劣化の傾向もMXに似ているし、去年のMXと今回のBS日テレの変化には共通点が多い。


GJ部のBDと比較すると8話までは非常によく近似していたけれど、9話は微妙に異なる色に変変わった。色に関しては放送局もBDもいい加減で、同一条件で比較しても作品によって一致したりしなかったりするので断定は難しいけれど、過去の比較から判断すると以前のまとめの通り、BS日テレやMXは変更前の方が正常で、今は本来の色とは違う色になっていると考えられる。

分布は省略するけれど恋歌のOPも似たような傾向で、変更後の3/9の放送の方が圧縮劣化が目立つ不安定画質になっている。恋歌でMXと比較し直してみると、現状でもMXより安定した映像に見えるところが多いものの、以前よりMXの方が良く見えるところも多く見つかるようになり、画質差はかなり縮まった。

他にも画面左隅の絵のない無効領域が出て僅かに絵が欠けるようになるなど、今回のBS日テレの変化は悪くなった要素が多かったようだ。


GJ部と恋歌で比較すると画質は悪くなったように見えるけれど、CMなどの実写映像は逆の傾向で、以前より圧縮劣化が劇的に減っていたり情報量の多い緻密な映像が結構見つかる。この点もMXの変化と共通するところだけど、以前より映像の特徴に左右されやすくなったようだ。元映像の情報を多く残せるようになったという点でエンコーダの性能は上がったものの、その分圧縮負担が大きいグレインのようなノイズ効果への耐性が無くなり、そういった効果が使われることが多いアニメと相性の悪い局になってしまったと言えるかもしれない。