2012年3月4日日曜日

番外 輪廻のラグランジェの色収差フィルタ効果の軽減を考える

ここでは何か変えるというより、問題を改善することを意図した補正の話が多いけれど、今回は演出的に意図した効果なのでオリジナルの質感を壊すという点で特異な補正のお話。個性的な質感の絵になっているものの、静止画で見ると単なる事故画質にも見えてしまう、ちょっとやりすぎ感のある効果という感じもするし、すばらしい斬新な効果と思う人もほとんどいないかも?という感じでまじめに逆の処理で軽減できないか考えてみたけれどあまりよい結果にならない感じなので、開き直って今回も強引なアプローチ。

function cblur_lagrin(clip c, bool "debug")
{
debug=default(debug, false)
ac = c.MergeChroma(
\ c.BilinearResize(640, 360)
\ .BilinearResize(c.Width, c.Height))
return (debug) ? interleave(c, ac.SubTitle("cblur_lagrin")) : ac
}

リサイズを使っているけれど、その強力なぼかし効果を利用しているだけで、やってることは色だけのぼかし処理。

単純に
cblur_lagrin()
とするだけ。
cblur_lagrin(true)
と指定すると、補正前後のフレームを交互に表示します。



ラグランジェの効果を正確に再現したものではないけれど、実験画像での比較。

上が色収差再現画像で、下が補正後。完全に綺麗になるわけでもないけれど、実際の映像でも気にならない程度には軽減できる・・・かも?

線で区切られない色の境界が酷く劣化するなどいくつか顕著な副作用もあり、期待して試すほどのものでもありませんので念のため。

結界師 1話


局:BSアニマックス
放送日:2012/03/04
評価:SD-p/482.5

ここを始めた頃の初期のチェックしかなく、アプコンの再分類を始める前に終わってしまったので見ておこう。

ちゃんとフレームで拡大され縦方向の劣化の少ない
縦長のSD-pらしい分布で、アプコンとしてはそれだけでも十分優秀。日テレの分布も似ているので、ソースの画質は同等だったと考えてよさそう。周囲が少し明るくなっているので、他のアニメ同様圧縮劣化のノイズはアニマックスの方が多いようだ。

アップのカットは線もやや太めでしっかり暗いのでアプコンらしい甘い絵でも鮮明に見える。ただ、人物が小さく描かれるカットでは線が細く黒浮きが目立つところもあり、アップのカットより少しボケた絵に見えるなど、鮮明HVが当たり前の今の視点で見るとやはり物足りない。それでも2006秋アニメとしてはとても優秀な画質だった。

これもSD-pに多い縦482.5辺りの中途半端な数字ジャギが残っていて、横も720ではなく711.5程度。本編中の文字は普通に縦1080で入っている。

レゴ ニンジャゴー プロローグ


局:BSアニマックス
放送日:2012/03/04
評価:HV1280

デンマークの3DCGアニメらしい。

輪郭線のないCGでこのチェックでは輪郭が曖昧な分布になってしまうところが多いけれど十分大きな綺麗な円分布になる鮮明HV映像。1秒間に25枚のフレームがあるかは確認していないけれど、ほとんどのフレームでコーミングが出ている状態で、フィールドに分けても残像があるので元は25fpsだろう。

CGらしいジャギ感はほとんどなく、輪郭も十分滑らかなになっているけれど、動きの止まったフレームで輪郭周辺のノイズを見ると、縦720のジャギがはっきり残っているところがあり、海外作品では確認例の少ないHV1280映像のようだ。