2011年12月16日金曜日

借りぐらしのアリエッティ


局:日本テレビ
放送日:2011/12/16
評価:HVFULL


巨大と言っていい分布だけど、はみ出すほどの極端な分布でもない。ここまで大きな分布になるところもそれほどなく、一回り小さい円に近い分布になるところも多く、鮮明さだけでなくジャギ感のない滑らかで線で自然な絵にすることも考えたバランス志向の映像。そんな高精細映像でも線は適度な太さと黒さを維持しているので、あまり視聴環境に左右されず鮮明な映像に見えそう。

ノイズ効果もほとんどないすっきりくっきり画質で、高精細映像にしては圧縮劣化は少なめで安定した画質になっている。デジタルなのにフレーム毎に絵の位置が微妙に異なるフィルムっぽいガタツキ効果がある。実際のフィルム経由の映像に比べると僅かなズレになっているので視聴環境によっては気付かないくらい微妙な効果だけど、ポニョでも使っていたしこの揺らぎ効果がお気に入りのようだ。それ以外は特にフィルムっぽさを追求した感じもなくデジタルっぽい質感。

上下に21ピクセル幅の黒帯付きのいつものジブリHVフォーマット。縦1080ではまったく足りない高解像度の特徴が残っているけれど、解像度限界で潰れてしまっていて撮影解像度の特徴なのか、元絵の特徴なのかよくわからない。この映像自体はフルHD相当の映像で、元はフルHD以上なのは間違いだろう。

もうテレビサイズの映像で判断できるレベルでもなさそうなので気のせいかもしれないけれど、作画的には4Kでも通用しそうなサイズで作っているようにも見える。ただ、クレジットの文字の周囲のノイズには縦1152に見えるジャギも残っているので、元は2048x1108程度(黒帯込みで1152)の2Kビスタサイズを横1920に縮小した状態というのが正解かな?

テルマエ・ロマエ 番宣


局:フジテレビ
放送日:2011/12/15
評価:?

1クールを2作品で分けるという例はいくつかあったけれど、話数の少ない方を先というのは他にあったかな?

風呂場の湯気効果でDLE作品にしてはコントラストが低くソフトな絵で、分布も普通のHVという感じでちょっと地味。

計算された線ではなくビットマップ画像を動かすタイプの映像でその元画像のジャギが目立っている上に圧縮劣化での乱れも手伝ってよくわからずお手上げ。過去には1280x720のDLE作品もあったけれど、最近は1440x810で安定しているのでこれも同じかな?

大成建設 CM


局:日本テレビ
放送日:2011/12/15
評価:HVFULL

アニメ映像を使ったCMはチェックしない方が多いけど、まるでアニメ作品のCMのような新海映像なのでみておこう。

カットによって分布差が大きいけれど、鮮明なところは縦長の巨大分布になる精細HV映像。フルHDとつぶやかれていた通り、縦1080のジャギもはっきり確認できるけれど、縦1080を越える元絵の特徴も良く残っていてフルHDでもまだ解像度不足に見えるくらいの細かい描写も多い。

極端に精細な新海らしい映像だけど、人物の線は全体に黒浮き気味だったり、はっきりした輪郭線がなかったりとどこかはっきりしない絵になっている。

非常に情報量の多い背景に対し人物が簡素で背景より甘く、少し浮いて見えなくもない。youtubeにあるメイキングを見ると、こだわって普通のアニメとは絵にしようとしたようだけど、遠近表現が微妙だったり光と影の向きが合わなかったり、最近流行りの過剰効果に近い違和感を感じるくらいの塗りもあって、いつもの深海らしい映像的な魅力を感じなかった。